福田農園農産物の安全性と放射性物質検査について

3.11大震災の被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
また、被害拡大防止や復旧活動に携わられている方々に敬意を表します。

福島原発の事故で放出された放射性物質により、全世界が汚染されてしまいました。
まだ事故は収束しておらず、高濃度汚染地域はもとより、多くの地域で混乱が生じています。
農産物に関しても、内部被爆の恐れがあることから、汚染状況を気にされる方も多いと思います。各自治体が行っている放射性物質検査により、いくらかの情報が公開されておりますが、当農園でも独自に検査機関へ依頼し、検査した結果をお知らせします。

23年6月上旬に収穫した大麦、丸麦(大麦を精麦したもの)、
23年6月下旬に収穫した小麦全粒、地粉(小麦からふすまを除いたもの)、
23年9月末に収穫した稲(玄米)、
23年11月に収穫した黒大豆、
24年6月に収穫した大麦、小麦、
24年10月に収穫した玄米
25年6月に収穫した小麦、
25年10月に収穫した玄米
26年6月に収穫した小麦
26年10月に収穫した玄米について、検査を行いました。

稲については、最初に収穫した田んぼのササニシキを検体として提出しましたが、他の田んぼで育てた品種についても、同じ平野部の近隣にまとまっていて、使用する用水路も同じですので、ほぼ同じレベルかと思います。

秋収穫の畑作物については、一番土壌からの放射性物質移行率が高いと言われる大豆を測定しました。

大麦は22年産の在庫がなくなりましたので、丸麦について、23年産に切り替わりました。丸麦は自家産大麦のみを自家加工していますので、他の大麦が混入することはありません。丸麦は、精麦時に外側を30〜40%程度削っています。
麦茶は24年産大麦を使用しています。
小麦は販売している全粒粉は農林61号は26年産、W8号は25年産です。
W8号の地粉は25年産です。農林61号の地粉は26年産です。
農林61号26年産地粉をうどんに使用しています。うどん作成時の製粉で外側を30%程度除いています。


福田農園農産物の放射性物質検査結果


対象農産物:23年産玄米(品種名:コシヒカリ)
検査日時:2011年10月7日
検査機関:日本食品分析センター
ヨウ素-131   検出せず(定量下限20Bq/kg)
セシウム-137  検出せず(定量下限2.4Bq/kg)
セシウム-134  検出せず(定量下限2.4Bq/kg)

分析試験成績書(玄米)2ページあります

対象農産物:23年産六条大麦(品種名:シュンライ)
検査日時:2011年6月9日
検査機関:日本食品分析センター
ヨウ素-131   検出せず(定量下限20Bq/kg)
セシウム-137  9.9Bq/kg(定量下限3.4Bq/kg)
セシウム-134  10Bq/kg(定量下限3.2Bq/kg)
現在、使用している商品はありません。
分析試験成績書(大麦)

対象農産物:23年産丸麦(品種名:シュンライ)
検査日時:2012年1月30日
検査機関:こどもみらい測定所
ヨウ素-131   0.00Bq/kg
セシウム-137  1.48Bq/kg ±1.28Bq/kg
セシウム-134  1.73Bq/kg ±1.16Bq/kg
丸麦に使用しています。
分析試験成績書(丸麦)

対象農産物:23年産小麦全粒(品種名:農林61号)
検査日時:2012年1月30日
検査機関:こどもみらい測定所
ヨウ素-131   0.00Bq/kg
セシウム-137  21.6Bq/kg ±6.9Bq/kg
セシウム-134  19.3Bq/kg ±5.7Bq/kg
現在、使用している商品はありません。
分析試験成績書(小麦全粒)

対象農産物:23年産小麦地粉(品種名:農林61号)
検査日時:2012年1月30日
検査機関:こどもみらい測定所
ヨウ素-131   0.00Bq/kg
セシウム-137  10.8Bq/kg ±4.0 Bq/kg
セシウム-134  9.56Bq/kg ±3.42Bq/kg
現在、使用している商品はありません。
分析試験成績書(小麦地粉)

対象農産物:23年産黒大豆
検査日時:2012年4月27日
検査機関:高崎市民測定所クラシル
ヨウ素-131   検出せず(定量下限10Bq/kg)
セシウム-137  検出せず(定量下限10Bq/kg)
セシウム-134  検出せず(定量下限10Bq/kg)
分析試験成績書(黒大豆)

対象農産物:24年産大麦全粒(品種名:シュンライ)
検査日時:2012年7月10日
検査機関:こどもみらい測定所
セシウム-137  2.18Bq/kg(定量下限1.71Bq/kg) ±1.14 Bq/kg
セシウム-134  検出せず(定量下限1.56Bq/kg)
麦茶に使用しています。
分析試験成績書(24年産大麦)

対象農産物:24年産小麦全粒(品種名:農林61号)
検査日時:2012年7月10日
検査機関:こどもみらい測定所
セシウム-137  検出せず(定量下限4.08Bq/kg)
セシウム-134  検出せず(定量下限3.82Bq/kg)
全粒粉、地粉、うどんに使用しています。
分析試験成績書(24年産小麦)

対象農産物:24年産玄米(品種名:ササニシキ)
検査日時:2012年10月19日
検査機関:こどもみらい測定所
セシウム-137  検出せず(定量下限1.21Bq/kg)
セシウム-134  検出せず(定量下限1.13Bq/kg)
分析試験成績書(24年産玄米)

対象農産物:25年産小麦全粒(品種名:農林61号)
検査日時:2013年8月28日
検査機関:こどもみらい測定所
セシウム-137  検出せず(定量下限1.55Bq/kg)
セシウム-134  検出せず(定量下限1.42Bq/kg)
地粉に使用しています。
分析試験成績書(25年産小麦)

対象農産物:25年産玄米(品種名:ササニシキ)
検査日時:2013年11月30日
検査機関:こどもみらい測定所
セシウム-137  検出せず(定量下限1.07Bq/kg)
セシウム-134  検出せず(定量下限0.99Bq/kg)
分析試験成績書(25年産玄米)

対象農産物:26年産小麦全粒(品種名:農林61号)
検査日時:2014年11月26日
検査機関:こどもみらい測定所
セシウム-137  検出せず(定量下限1.13Bq/kg)
セシウム-134  検出せず(定量下限1.05Bq/kg)
地粉に使用しています。
分析試験成績書(26年産小麦)

対象農産物:26年産玄米(品種名:ササニシキ)
検査日時:2014年11月26日
検査機関:こどもみらい測定所
セシウム-137  検出せず(定量下限1.18Bq/kg)
セシウム-134  検出せず(定量下限1.09Bq/kg)
分析試験成績書(26年産玄米)

穀類のセシウム暫定基準値は100Bq/kgです。ウクライナの農産物基準は20〜70Bq/kgです。


これまで当農園では「危険を証明することはできるが、安全を証明できる農産物はない、百姓はできるだけ安全になるように育て、判断は実際に食べていただく人にしかできない。」という考えから、「安全」や「安心」といった売り文句は使用してきませんでした。
これからもその姿勢を変えるつもりはありません。
私たちがすべきなのは、食べていただく人が判断できる情報をできるだけ提供すること(有機JAS認証や今回の放射性物質検査など)と継続的なつながりの中で福田農園を理解、共感していただき、信用していただけるように努めることだと考えています。

放射線も農薬も化学物質も遺伝子を傷つけ、環境中でどのように変化・影響するのか誰も分からないこと、では同じです。こういった低濃度の原因物質による遅発性で起きる障害については、因果関係をつかむことが難しく、どのように気をつけても障害が出てしまう人もいれば、全く気をつけなくても障害が出ない人もいます。できるだけ低汚染のものを選ぶこと、できるだけ体力・抵抗力をつけること、それしか方法はありません。

こんなことを気にしなければいけない世界にしてしまったのは自分たちであることを痛感し、子供達の世代を今よりも明るくするために、できることをやっていこうと思います。

2011年10月
2012年2月 丸麦、小麦全粒、小麦地粉追加
2012年5月 黒大豆追加
2012年7月 24年産大麦、小麦追加
2012年11月 24年産米追加
2013年11月 25年産小麦追加
2014年12月 25年産米、26年産小麦、米追加